2022年4月20日水曜日

【中野さんの芸能コラム】息抜きタイム;「花見の歴史」ー中野希也

日本から取りよせた本を読み始めたちょうどその時に「JANO花状況レポート」がスタートした。私にとっては発見が沢山あった。格好の折柄、いくつかを紹介しょう。
本は岩波「桜の美意識」で
2003年に刊行され、今年3月現代文庫として収録された。

著者は大貫恵美子、1934年生まれ、津田塾卒業後渡米しWisconsin大学卒業後、教授を永らく務めた。現在アメリカ学士院正会員。

 

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  • 「古事記」の一説では、「あまてらすおおみかみ」の孫は「木花開耶姫」(このはなのさくやひめ)を妻にするが、多くの学者は姫を桜と解釈し、桜の花の霊の生まれ変わりだと考えている。

 

  • 山岳信仰の中心となっているのは、日本の神々の中で山の神がもっとも有力であるという考えと、その山の神が棲まう山々は、日本人の世界でもっとも聖なる場所であるという考えである。古代日本における桜の花は山桜に限られており、これが山の神との象徴的結びつきの基になった。

    

  • 山桜の花は秋の稲の出来具合を予兆するものと考えられた。花が早く散ったら大変であるから、花が少しでも長続きするように祈願する手立てとして花祭りが始まった。
  • 日常生活では、桜の開花は、農民にとって田植えの準備の合図となった。

       花見の儀礼は、神聖なる山に登って桜の樹の下で催した宗教的儀礼に起源を発する。そして、この儀礼に不可欠な酒盛りは、神の  身体から造ったものである神酒を神と人間が「相嘗め」することに端を発する。

 

  • 花の咲いている桜の枝を髪に挿すといった習俗は、「桜の花には神霊が宿っているのであるから、その枝を髪に挿すことによって髪の祝福を受けようとしたのである

 

  • 学者の解釈によれば、サクラの語源は、主に田の神を意味する神の霊「サ」、の居場所「クラ」(倉とか鞍に通ずる)であり、山の神は、稲作を守護するために、桜の花びらに宿り、田に下って田の神となるのである。さらに、桜のサは「栄える」「盛ん」「幸」、そして「酒」といった正の力を表す言葉のサと同根である、

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