2020年6月20日土曜日

【中野さんの文化コラム】Performing Arts Review (39) 米国で30年ぶりに聞いた『おどるポンポコリン』

Performing Arts Review (39)

米国で30年ぶりに聞いた『おどるポンポコリン』

                                  令和2618日 中 野 希 也


   ♪なんでもかんでも みんな
   おどりをおどっているよ
   おなべの中から ボワッと
   インチキおじさん 登場
          
   いつだって わすれない
        エジソンは えらい人
        そんなの 常識 タッタタラリラ

  ピーヒャラ ピーヒャラ パッパパラパ
        ピーヒャラ ピーヒャラ パッパパラパ
   ピーヒャラ ピーヒャラ おへそがちらり タッタタラリラ
            ピーヒャラ ピーヒャラ パッパパラパ
            ピーヒャラ ピーヒャラ おどるポンポコリン
            ピーヒャラ ピーヒャラ お腹がへったよ
(おどるポンポコリン 歌 B.Bクイーンズ 作詞さくらももこ作曲織田哲郎)

日曜日の夕方、テレビでこの曲を聞いた。なんと30年ぶりになる。
Clevelandに赴任したのは1985年。当時のミュージックシーンはアイドルの全盛期と称していいだろう。

          1980年 山口百恵さん引退、松田聖子「青い珊瑚礁」
          1981年 ピンク・レディ 解散
          1982年 中森明菜 「スローモーション」
          1983年 柏原芳恵「春なのに」、小泉今日子「まっ赤な女の子」
          1984年 小林麻美「雨音はショパンの調べ」

日本からの情報は新聞と雑誌のみ、映像でみることは終ぞなかった。1990年に帰任したときは、周囲には初めて耳にする言葉が溢れていた。「JR」「ゴクミ」「サラダ記念日」「Hanako」「アッシー」等々

極めつけは、年末の忘年会で若い女性が歌ったのが「おどるポンポコリン」!
呆気にとられるどころか、異次元に迷い込んだ気持ち、私は完全に時代に取り残されたいたのだ。あとで知ったのは、これは、さくらももこの漫画「ちびまる子ちゃん」のテレビアニメのテーマ曲で日本レコード大賞を受賞したばかりか夏の甲子園では4938校が応援歌として使用し翌年の選抜大会では入場行進曲に選ばれるなど高校野球の応援歌の定番のひとつとなった。
                     
以降、私がこのアニメを日本でみることはなく、すっかり忘れていたが再び甦った。キーワードは「エジソン」と作曲家の織田哲郎である。

1 エジソン Thomas Alva Edison
どれだけ「えらい人」なのか。広辞苑には
「発明及び改良は、電信機・電話機・蓄音機・白熱電灯・無線電信・映写機・電気鉄道などにわたり、電灯会社および発電所の経営によって電気の普及に成功(1847-1931)」とある。

私が初めて購入した自宅は、大阪府に隣接した町ではあるが、なんと住所は大層ものものしく「京都府綴喜郡八幡町大字八幡小字柿ヶ谷14番地」、この土の香にひかれて本籍を変更した。その後市制変更のため平凡な名前になった。
1993年に再びクリーブランドに赴任することになり市役所に転出届を提出に行ったとき、待っている間にぶらぶらしていると「市政だより」があった。ふと目をやると
トップに「八幡市はオハイオ州のMilan市と姉妹都市を結んだ」とある。記事には
エジソンが1800年代後半に白熱電球を発明したとき、発光体であるフィラメントに京都府八幡市の竹を採用した。エジソンの電灯発明から50周年を記念して、1934年に石清水八幡宮境内エジソン記念碑を建立した。また19868月にエジソン生誕地の米国マイラン村と友好都市協定を結んだ。」


  京都石清水八幡宮エジソン記念碑  オハイオ州マイラン市エジソン生家


確かにクリーブランドから30分ほど西のI-80/90 Exit 118に「Edison Birthplace」の標識があることには気がついていたが、私の本籍地と縁があるとは知らなかった。

2 織田哲郎
アイドルとは全く無縁の作曲家で、この曲で初めて聞いた名前であり直ぐに記憶から消えたが、2,3年後に華々しい脚光を浴びた。なんと3人のアイドルのヒット曲を手がけた
というよりも彼の曲のおかげで、スーパーアイドルが誕生したと言っていいだろう。

1)ZARD(坂井泉水) 「負けないで」
          ふとした瞬間に視線がぶつかる
          幸運(しあわせ)のときめき覚えているでしょ
          パステルカラーの季節に恋した
          あの日のように輝いてる
          あなたでいてね
          負けないでもう少し
          最後まで走り抜けて
          どんなに離れてても
          心はそばにいるわ
          追いかけて遥かな夢を

2)中山美穂 「世界中の誰よりきっと」
   まぶしい季節が 黄金色に街を染めて
   君の横顔 そっと抱んでいた
   まためぐり逢えたのも きっと偶然じゃないよ
   こころのどこかで待ってた

   世界中の誰よりきっと 遠い夢見てたから
   目覚めてはじめて気づく つのる思いに
   Oh 世界中の誰よりきっと 果てしないその笑顔

3) 酒井法子 「碧いうさぎ」
   あとどれくらい 切なくなれば
   あなたの声が聴こえるかしら

   なにげない言葉を瞳合わせて ただ静に
   交わせるだけでいい 他にはなんにもいらない

   碧いうさぎ ずっと待ってる 独りきりで震えながら
   淋しすぎて 死んでしまうわ 早く暖めて欲しい

 

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