2015年4月22日水曜日

【新連載 学校情報】第6回College(大学)



College(単位制短期大学)、University (大学)>
高校卒業後進路も大学、単位制短期大学、就職、など様々な進路があります。ここでは大学進学に必要な事について述べる事とします。アメリカ50州内には州立、私立、共に膨大な数の大学が存在し、いくつかの機関では各専攻によるランク付けもされています。「日本の大学は入るのは大変だが卒業するのは容易、アメリカの大学は入るのは容易だが、卒業するのが大変」とよく言われますが、その通りだと感じます。通常、州立大学の授業料は以下の3段階で設定されています。私立の授業料は一律ですが、州立大学の授業料は以下の3段階で設定されています。授業料以外に寮費や教本代、食事代、維持費などが必要となります。アメリカの大学はまず1年生は寮生活を義務づけている事が多く、授業料以外は以下の様な段階はなく一律です。

In State(州内に在住)② Out of State (州外から入学)③ International (留学生対象)

留学生対象となると州内在住の約3倍の授業料が設定されています。日本からの転入生徒がこちらの大学へ進学したい場合、大学によってはグリーンカードを持っていなくても、保護者がその州で税金を支払っていれば①の授業料で受け入れてくれる場合もありますので確認しましょう。基本的にアメリカの大学の授業料は日本と比較して高額です。

アメリカの受験は日本の様に一発勝負ではなく、必要な書類、データやスコア、先生の推薦状などを大学側に郵送あるいはオンラインで送り、審査されるのを待ちます。秋頃から申込書を送り始め、早い所ではすぐに、遅くても3月末までには合否や奨学金受領の連絡を受けます。そして翌年の5月始めまでに進学する大学を決めます。大学により、願書受付は『Common Application (一般申し込み)』と個々の大学のウェブサイトから申し込みをする方法があります。申し込みの制限はなく、何校でも受けられ、主に以下の様な点を重視されます。

*高校在学中の学校独自の評価による成績の平均点『GPAGrade Point Average)
*『SAT』『ACT』などの全国統一試験のスコア
*スポーツでの実績
*リーダーシップ経歴(生徒会、クラブ活動など)
*『National Honor Society(全国優等生協会)』
*放課後の課外活動経歴(日本語補習校在籍も含む)
*コミュニティー(一般社会、教会等)でのボランティア活動
*エッセイ、先生の推薦状
*第一言語が英語でないお子様は『TOEFL』のスコア
*職業経験(一定の条件をクリアすれば高校在学中にアルバイトできます。)
これらの点を踏まえれば、高校在学中の生活がいかに大事なものかお分かりいただけますね。

アメリカでは奨学金制度も充実しており、以下の様な奨学金を受ける事が出来ます。専攻や人種、スポーツでの実績保持者による奨学金もあります。入学前や入学後に軍隊に所属する場合も軍隊から補助を受け取る制度もあります。奨学金と言っても返済義務は生じず、以下の中ではローンのみ、返済義務が生じます。注意する点は、『FAFSA』『CSS Profile』など、これらの対象となる申込書を提出していないと対象から外れてしまう事です。毎年更新する事をお忘れなく。

National Merit ー 『PSATSAT準備テスト)』での成績優秀者対象(全土から選出)
Grant ー 政府や州からの援助(並外れて財政的に困窮な場合など)
Scholarship ー 大学や外部からの援助、内容は多種多様
Financial Aid ー 成績優秀だが学資困難者への援助
Work Study ー ワークスタディー(大学在学中に大学内で労働し、その報酬を受け取る)
Loan ー ローン(保護者貸与のものと学生に貸与のものがある)

さて、大学に合格したら勉強やプロジェクトで大忙しとなります。沢山の課題やプロジェクトが与えられ、専攻によっては寝る間もない日が続く事もあるそうです。奨学金を受けている学生は学期ごとの成績やボランティア活動に条件が課せられるので、それを維持するのは大変です。我が家の大学生は大学に入ってから「今までで一番勉強してる」と言っています。みんな必死に勉強し、合格点に達する様努力します。この辺りが「アメリカの大学は卒業するのが大変」と言われる由縁ではないでしょうか。

進学を希望する大学のウェブサイトには情報が盛りだくさんです。見学ツアーも常時行われていて、実際に出向いてツアーに参加し更なる情報を得たり、自分の感覚と合うかどうか確認する事ができます。ツアーガイドは学生達ですので、実体験からいろいろな話を聞く事が出来ます。また、大学によっては海外への留学制度や一般企業での研修制度が充実しています。勉強しながら様々な世界を実際に経験し、仕事に役立てるという事でしょうか。


<アメリカの高校卒業後、日本の大学への進学>
アメリカの高校卒業後、日本の大学へ進学したい場合は大学により様々な条件がありますので、直接その大学へ問い合わせる事が大切です。ほとんどの大学で、『SAT』や『TOEFL』のスコア、現地の高校の『Transcript』(英文成績証明書)が必要となります。9月入学か4月入学かについても条件が異なりますので確認しましょう。

(岩泉美菜* )
*岩泉さんは、JANO法人会員のご家族で、2015年現在、大学2年生を筆頭に、ハイスクールシニア、ソフモア、キンダーのお子さんをお持ちの駐在の奥様です(JANO)

*補足
College4年生大学を指す場合もあります。(JANO Kman波栄)

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