平成21年6月1日
デトロイト総領事館
誘拐に関する注意喚起
6月1日、外務省では、夏の観光シーズンを前にして、以下のとおり誘拐に関する広域情報を発出しました。
1.これまで各国・地域の誘拐事件・誘拐脅威情報については、「スポット情報」及び「危険情報」等において個別に注意を促してきていますが、近年、テロ組織、一般犯罪組織によるものを問わず、外国人を標的とした誘拐事件が数多く発生しています。特に2008年夏から現在まで、海外において日本人が被害者となった主な誘拐事件については、次のようなものがあります。
(1)2008年8月26日、アフガニスタン東部において、現地で活動していた日本人NGO職員が何者かに誘拐され、その後殺害される事件が発生しました。
(2)2008年9月22日、エチオピア東部ソマリ州オガデン地方において、国際NGOの派遣専門家2名(うち1名が日本人)が誘拐され、その後ソマリアに連行・拘束される事件が発生しました(本年1月7日にソマリアで解放)。
(3)2008年9月26日、南アフリカ出張中の日本人が誘拐される事件が発生しました(2日後に同国警察によって無事保護)。
2.誘拐事件には、被害者を短時間拘束した上で所持金や貴重品を奪ったり、被害者のキャッシュカード等を用いてATMから現金を引き出した後に解放する「短時間誘拐」から、資産家や企業家等をねらった「身代金目的誘拐」、さらには、外国人等を誘拐してその国の政府等に対して政治的要求を行う「政治目的誘拐」等があります。一口に誘拐といってもその形態は幅広く、また、その犯行主体も個人や犯罪組織からテロ組織まで多岐にわたっているため、各国ごとに注意すべき誘拐事件の種類と傾向は異なります。
3.近年、外国人に対する誘拐につき特に注意を要する地域としては、中南米、アジア、中東、アフリカ地域が挙げられます。中南米地域については、一般的に企業家等の富裕層をねらった身代金目的の誘拐事件(含む短時間誘拐)が多く見られます。また、アジア(特に南西アジア)、中東、アフリカ(特に北アフリカ)地域については、身代金目的に加え、テロ組織等による政治目的の誘拐事件も発生しています。このうち、テロ組織又は地元の武装集団等による政治目的誘拐については、解決まで時間を要することがあります(例:2008年12月15日、ニジェールにおいてカナダ人国連特使とカナダ人外交官が誘拐され、その後「イスラム・マグレブ諸国のアル・カーイダ(AQIM)」が欧州で捕まっているイスラム武装組織の複数のメンバーの釈放を要求(2009年4月22日に被害者両名とも無事解放。)等)。
さらに、ナイジェリアや南アフリカ等のアフリカの国々においては、架空の商談等を口実に被害者を現地におびき寄せて誘拐・監禁し、身代金を要求するといった、「419事件」の一種とされる事例も発生しています(「419事件」の詳細については、2008年11月6日付け広域情報「国際的詐欺事件(通称419事件)に対する注意喚起」を参照願います。)。
http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2008C372
4.海外に渡航・滞在される日本人が、誘拐の被害に遭わないようにするためには、各国において過去に発生した誘拐事件の特徴等を踏まえた安全対策を講じ、最新の政治・社会情勢等に応じて行動する必要があります。また、誘拐事件は、旅行者等を含め誰もが被害に遭う可能性があり、犯行手口も事前に周到な準備を行って実行されるもののほか、偽の警察官等による偽装検問や、タクシーなどを装って犯行に及ぶもの等、様々な形態があることに留意する必要があります。
5.つきましては、これまで誘拐事件・誘拐脅威情報に関して各国に発出されている「危険情報」、「スポット情報」等の内容にも留意し、不測の事態に巻き込まれることのないよう、外務省や現地の在外公館より最新の治安関連情報の入手に努めるとともに、「目立たない」、「行動を予知されない」、「用心を怠らない」の誘拐対策の三原則を心掛け、日頃から安全確保に十分注意してください。また、万一に備え、渡航前には、家族や友人、職場の同僚等に日程や渡航先での連絡先を伝えておいてください。海外での旅行中には、日本の御家族等との間でこまめに連絡を取ることが大切です。
6.なお、誘拐対策の詳細については、外務省海外安全ホームページにおいて、パンフレット「海外旅行のテロ・誘拐対策」、「海外における誘拐対策Q&A」を掲載しておりますので、併せて御参照ください(http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pamph.html)。
(問い合わせ先)
○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)3678
○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902又は2903
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
http://www.anzen.mofa.go.jp/i/(携帯電話用)
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